第六十二回神宮式年遷宮の一連の諸祭行事の一つで、
天皇陛下が神に奉られる絹の布「幣帛(へいはく)」を奉納する、
「奉幣(ほうへい)」が三日、伊勢市宇治館町の伊勢神宮内宮であった。
古来、遷御とともにひときわ重んじられてきた儀式とされる。
秋篠宮殿下が正宮に臨席される中、陛下の使いの勅使と、
池田厚子祭主、神職ら計約五十人が奉仕した。
午前十時ごろ、祭列が、幣帛の入った二つの辛櫃(からひつ)と
ともに参進した。
参道途中の玉串行事所で、勅使と祭主、大少宮司、禰宜(ねぎ)ら
高位の神職が両手に太玉串を受け取り、後続の神職らを伴って正宮の
門をくぐった。
辛櫃は同行事所で開けられ、箱を一つずつ取り出して台に載せ、
中身の幣帛を読み合わせした後、神職が台ごと持って正宮内に運んだ。
正宮では、太玉串の奉納に続き、正殿背後の東側にある東宝殿に
幣帛を奉納。
退出し、五丈殿お祝いの食事を囲む儀式「饗膳(きょうぜん)」を
して終えた。
また、これに先立ち午前六時ごろ、新しい正宮に初めての食事を
供える「大御饌(おおみけ)」があった。
午後二時ごろには、旧正殿にあった幣帛や神宝の一部を新正殿に移す
「古物渡(こもつわたし)」が執り行われた。
ソース(
伊勢新聞)
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