鳥羽市国崎町の前の浜で十七日、わら舟に火を付けて海に流す
正月行事「のっと正月(しょんがつ)」があった。
浜には七十人ほどの海女が赤飯となます、酒、小銭と魔よけの
言葉を記した「ツメの札」などを持って三々五々集まり、
たらいにコメと小豆、小銭を入れて札を清めた後、
一年の無事を祈って波打ち際に赤飯と札、なますを供えた。
長さ一・八メートル、幅一メートル程のわら舟を十人ほどの海女が作り、
出来上がった舟に「歳の神」が乗せられた。
お神酒を掛けた後、わら舟に火を付けて海へ流した。
海女らは波に押し戻されながらも沖へ向かう舟に手を合わせて見送った。
「のっと正月」は平成二十三年に国の
「記録作成などの処置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定された。
江戸時代の記録に残る行事で、「のっと」には祝詞の意味が
あるとも言われている。
ソース(伊勢新聞)
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