
そろばんを手に値段の交渉をする茶商(左)と茶農家の代理を務めるJA職員=大台町栃原のJA全農みえ南勢茶センターで
写真=中日新聞
三重県内で最も早い伊勢茶の初市が二十八日、大台町栃原の全国農業協同組合連合会県本部(JA全農みえ)南勢茶センターであった。JA全農みえによると、今年は霜害がなく、適度な雨量もあり、茶の出来は良質。初市では出品数量とも例年より多かったせいか、最高値は昨年と比べキロ当たり三千円下回る三万五千円だった。
大台、渡会、大紀の三町と松阪市の茶農家が煎茶を出荷した。茶農家の代理を務める地元のJA職員と県内の茶商十五社、仲立ち人を務めるJA全農みえの職員の三者が、そろばんを手に相対取引した。
茶商は拝見盆と呼ばれる黒色の皿に入れられた茶葉を手に取り、形や香り、つやなどを入念に確認し、さらに湯飲みで湯をついで色を確かめた。茶農家側が希望価格を提案すると、茶商が首を横に振る姿も見られ、そろばんが行き来した。商談が成立するごとに三者が手を三回たたく、手締めの音が威勢良くセンターに響いた。
JA全農みえによると、今年は前年比二十五点多い四十点、数量で四倍強の四百三十二キロが出品された。平均値は同比で約三割安いキロ八千二百三十円だったが、全体的に良品が出そろい、約三十分ですべて取引が成立した。県内にはほかに四日市、亀山、鈴鹿の三市で伊勢茶の市場がある。
ソース(中日新聞)
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