熊野市有馬町の世界遺産・花の窟(いわや)神社で十月十九日、祭神のイザナミノミコトをしのぶ平安装束の時代絵巻、錦の御幡(みはた)献上行列が行われる。二〇一二年以来、二年ぶりの開催。熊野古道世界遺産登録十周年の集客事業として、市などがPRを進める方針だ。
市が二〇一四年度当初予算案に事業費二百万円を計上した。運営は住民らでつくる実行委員会が主体となる。
花の窟神社はイザナミノミコトの墓所とされ、二月と十月の二回、ご神体の巨岩から境内にしめ縄を渡すお綱掛け神事が行われる。江戸期の地誌・紀伊続風土記によると、かつては朝廷がしめ縄に取り付ける「錦の御幡」を献上していたものの、いつしか習慣が途絶え、住民が稲わらを編んだ「三流(みながれ)の幡」を代わりにつるすようになった。
錦の御幡の献上が途絶えた時期は不明だが、行列の時代考証は、観光向けに見栄えの良い平安期の設定とする。地元住民らがきらびやかな衣装をまとい、町内を練り歩くことで、神社の由来を地域外に発信する。参加者は公募で決定する。
ソース(中日新聞)
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