JA三重南紀(御浜町)が、ミカンの一品種、せとかを国内では初めてタイに試験輸出することになった。超高級果実として、富裕層向けに販路を開拓する。消費が低迷する国内の産地間競争を優位に進めるため、経済成長が著しい東南アジアで三重産ブランドの確立を目指す。
御浜町の選果場で二十五日、輸出に向けた病害虫検査があった。タイ政府の植物防疫検査官らがルーペを使い、せとか二百キロと昨年に続いて輸出する不知火二百キロに病害虫がないか調べた。
果実はいずれも一個二百五十~三百グラム。三月初旬に航空便で発送し、バンコク市内の高級百貨店で試験販売を兼ねた試食会を開く。
JA三重南紀はこれまで、温州ミカンなどをタイを中心に輸出してきた。販売価格は、一キロ千五百円と日本国内の数倍。せとかと不知火は、一キロ四千五百円程度とさらに高値を予定しており、試験輸出で消費者の評価を見極める狙いがある。管内の年間生産量は不知火が二百トン、せとかが五十トン。同JAの山本範光理事長は「現地での引き合いは多く、今後も輸出量を増やせるよう努力する。タイの政情不安も、消費者の購買意欲に影響を及ぼさないと考えている」と話していた。
ソース(中日新聞)
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