伊勢うどんは子供の頃からよく食べてました。出身は(伊勢市の隣の)松阪市なんですが、旅行というとだいたい伊勢志摩なんですよ。中学高校ぐらいになると友達同士で伊勢神宮に行ったり、映画を観に行ったりという感じで、伊勢には何回行ったかわからない。で、行くととりあえず伊勢うどんを食べるという。
讃岐うどんブームのおかげで「うどんはコシが命!」みたいなことになってたじゃないですか。おみやげに買ってきた伊勢うどんを食べてもらっても「ゆですぎだよ、石原さん」とか言われたりして……。でも、伊勢うどんもただいたずらにコシがないわけじゃなくて、タレのおいしさを引き立てるためなんです。ふわふわもちもちの麺はタレにからみやすいし、表面がツルツルじゃないのも同じ理由。口に含んだ瞬間にやわらかいやさしさを感じるのが、ほかのうどんにない魅力ですね。
その魅力を伝えたくて、ツイッターで「伊勢うどん通信」を始め、さらにフェイスブックで「伊勢うどん友の会」のページを作りました。西荻の古本イベントと連動してやった「伊勢うどんカフェ」には250人ぐらいのお客さんが来てくれて、伊勢うどん1杯食べるのに1時間待ちという事態に。本来はファストフードとしての食べ物なんですけど。
伊勢うどんを食べると、うどんにも人生にも正解はないということがわかります。固定観念に縛られず、伊勢うどんのようにやわらかく受け止める懐の深さを持ちたいですね。
ソース(
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20130410/zsp1304101102002-n1.htm)
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