川崎市岡本太郎美術館などが主催する現代美術の国内最高峰コンテスト
「第十六回岡本太郎現代芸術賞」で、志摩市阿児町甲賀の
美術作家石山浩達(ひろみち)さん(25)が「岡本敏子賞」を獲得した。
敏子賞は最上位の太郎賞と並ぶ賞。
応募七百三十九点の中から選ばれた。
石山さんは「新しい試みを認めてもらえた」と喜んでいる。
受賞作は「Alien Vision(エイリアン・ビジョン)」と銘打ち
「宇宙人が地球と人間の姿を見たらどうか」との発想で創作。
縦二メートル超、横五メートルの絵画二点と、天に向かって長い角が伸びたような
形の高さ五メートルの立体作品などを組み合わせている。
絵は、一枚にはオレンジ色に光る地球と、目から光線を発する子どもを光沢感を
持たせて描いている。
もう一方には淡い色合いの青や赤の惑星に、たくさんの大人が倒れている様子を表現。
動と静を対比した。
キャンバスは布製の既製品を使わず、木の板に、にかわを塗る古典西洋絵画の手法を
取り入れた。
一方で車用の塗料やプラモデルの立体部品を使用し、古今東西のさまざまな素材や
技法を用いている。
星を詠んだ正岡子規の短歌を絵の縁に書き入れるなど文芸作品も組み入れた。
「現代芸術の世界では、人がやらないこと、新しいことをやらないと太刀打ちできない」と
蓄えた知識を総動員して完成させた。
今回の受賞で国内作家のトップグループに仲間入り。
しかし「作品を見た人の賛否両論いろいろな感想を生かし、後世に残るような作品を作りたい」
とさらに上の目標を掲げる。
岡本太郎美術館では、石山さんを含む入選以上の二十二組の作品を四月七日まで展示。
今月二十六日には授賞式があり、石山さんらのギャラリートークもある。
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