伊勢市の伊勢神宮外宮で八日、神奈川県鎌倉市を拠点に住民参加型のイベントや文化活動をしているNPO法人「ルートカルチャー」の舞台公演奉納があり、勾玉(まがたま)池奉納舞台で女優の鶴田真由さん(43)主演の二人芝居が演じられた。
ルートカルチャーは鎌倉市出身・在住の芸術家らで二〇〇六年に活動を開始。今年五月に鎌倉市出身の鶴田さんと俳優の井上幸太郎さん(39)が出演する二人芝居「花音(かのん)」を故郷で初公演し、その際の観覧者との縁などを通じて外宮での公演となった。
花音は劇作家の明神慈(みょうじんやす)さん(44)の作・演出で、音楽はルートカルチャー代表の瀬藤康嗣さん(40)が担当した。
舞台では鶴田さんと井上さんが演じる名もなき男女が言葉遊びのように同じせりふを繰り返しながら歩き回ったり、寝そべったり。二人の関係性や存在する場所、時間の流れなどを明確にせず、五十分間の不思議な空間を繰り広げた。
神宮での公演にちなみ、神職が着る服と同じ麻製の白い衣装に身を包むなどのアレンジを加えた。観衆は二人が醸し出す独創的な世界に引き込まれるように見入っていた。公演は今後も全国各地を巡回する計画だ。
公演後、鶴田さんは「すごく楽しかった。楽しく演じることで神様にも喜んでもらえる。芸能の原点は奉納なので、役者として貴重な機会だった」と話した。
鶴田さんは十月二日に式年遷宮でご神体を新正殿(しょうでん)へうつす内宮の遷御(せんぎょ)の儀式にも立ち会っており「目に見えない何かを大切にしてきた日本文化の美しさを感じた」と振り返った。
ソース(中日新聞)
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