三重県鳥羽市鳥羽一丁目の老舗旅館・戸田家は二十六日、宿泊客に提供する
調理過程で出る伊勢エビの殻など食品残さを飼料化し、餌として与えて
育てた養殖マダイを同館で提供する循環システムを国内で初めて確立したと
発表した。
同館では二十年前から、電気自動車導入や生ごみの肥料化など環境保全活動に
取り組んでおり、その一環で平成十五年から、魚の骨や伊勢エビの殻など
調理過程で出る食品残さを分別し、粉砕したものを冷凍保管した飼料でマダイを
養殖する研究を開始。
残さを20%配合した固形状の餌を開発し、同十八年にはマダイの養殖に成功した。
平成二十三年の環境省中部地方環境事務所のモデル事業に同館の取り組みが
採択。
養殖専用のいけすを使用し、一般市場に出さないことを条件に、昨年から
南勢水産(南伊勢町)の協力を得て、同餌を使ったマダイ養殖を開始した。
同館が希望とするマダイの大きさは約一・五キロ。
約五十平方メートルの専用いけすで、年間約三千匹用意できることから、
宿泊客に料理提供を始める準備ができたという。
養殖マダイは甘みもあり、餌に含まれる伊勢エビの色素「アスタキサンチン」の
効果で、発色が良く天然に近い色合いの体色になったという。
同館の寺田順三郎社長(61)は「安心というお墨付きをもらった。
独自の名前を付けて皆さんに知ってもらいたい」と話した。
ソース(
伊勢新聞)
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