今月から伊勢エビ漁が解禁になった紀北町で、お歳暮用の商品の出荷が最盛期を迎えた。今年は伊勢エビの価格が高騰していて、地元の海産業者は「食品表示偽装問題の影響と、需要の急増で価格は上がる一方」とため息を漏らす。
同町の三重外湾漁協紀州支所によると、地元長島港の市場では、伊勢エビの価格は昨年の一・七倍程度になっている。
例年より水揚げ量が少ないことに加え、食材選びに敏感になった飲食業者などが、積極的に購入量を増やしていることが原因とみられる。
一匹百~五百グラムの等級の一キロ当たりの価格は、漁解禁直後の六日は四千七百二十円だったが、十四日には七千百七十円にまで上昇した。四千円前後で安定していた昨年と比べ、高騰ぶりが目立つ。
港で伊勢エビを仕入れ全国に発送している同町紀伊長島区長島の上保商店は十八日、お歳暮用の伊勢エビを二~五匹ずつ箱詰めし、九十箱を出荷した。価格が上がらないうちに急いで注文しようとする客が増え、例年より出荷のピークが十日ほど早まった。
店では販売価格を例年通りに据え置いているが、近く仕入れ値が売値を上回る可能性があり、二割程度の値上げを検討している。
同店おかみの上野明美さん(72)は「シーズン中に価格を見直すとなれば、ここ五十年で初めて」と戸惑いの表情を浮かべていた。
ソース(中日新聞)
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