伊勢神宮内宮近くの伊勢市宇治地区に古くから伝わる正月用の
「宇治飾り」作りが二十七日、内宮前のおかげ横丁であった。
作り方を知る人が減り続ける中、保存に取り組んでいる

同地区出身の森田和夫さん(81)
=伊勢市楠部町=が伝統の手法を見せた。
宇治飾りは、玄関用、台所の魔よけ用など数種類あり、
サカキやマツの枝、トンボの形に結った稲わらなどを束ねて仕上げる。
明治時代以前から、地区の住民が地元の山で採った材料で手作りしていた。
作り手の高齢化、市販の飾りの普及などで昭和末期から減り始め、
今ではほとんど見られなくなった。
宇治地区出身の森田さんは、祖母に教わった飾り作りを続けていて
「伝統を消したくない」とおかげ横丁に相談。二〇〇九年から、
森田さんが作った飾りを横丁内で販売したり店に
飾ったりするようになった。
この日は十九日に続き二回目の作業で、森田さんが横丁の
従業員二人に手本を見せながら一緒に、玄関飾りなど三種類、
約六十本を作った。
「宇治地区全体に飾りを復活させるのが夢」という森田さんには、
後継者を育てたい思いもあり、一人でほとんどの飾りを
手掛けるのは今年まで。
来年からは横丁の若手従業員が独り立ちに向け、飾り作りの中心となる予定だ。
宇治飾りは横丁の特設屋台で開催中の「歳の市」(二十九日まで)で
販売している。
一月七日までは横丁内の店舗で飾る。
横丁の担当者は「地元の伝統文化を守り、
全国からの参拝者にも見てほしい」と話している。
ソース(中日新聞)
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