伊勢志摩地方の豊かな自然と伝統的な祭りにひかれ、趣味で写真を撮り続けている
中国人のホテルマン、李相海(リシャンハイ)さん(42)(鳥羽市安楽島町)が、
初めての写真集「一人の中国人から見る 伊勢志摩の自然と祭礼」を出版した。

李さんは中国遼寧省出身で、1998年に三重大への留学で来日。
2007年、鳥羽市の
鳥羽シーサイドホテルに入社し、外国人旅行者の誘致や
接客を担当する。
写真を始めたきっかけは、同年5月、伊勢市内で行われた式年遷宮の
お木曳(ひき)行事に参加し、日本人の「心の古里」と言われる伊勢神宮の文化や、
祭礼に興味を持ったことだった。
その後、休日にはカメラを手に伊勢志摩を歩き、自然や祭りを取材。
最も感動したのは、志摩市磯部町の伊雑宮(いざわみや)の
「
御田植祭(おたうえまつり)」で、泥だらけの男たちが竹を奪い合う「竹取神事」と、
早乙女たちによる優美な「御田植神事」の〈動と静〉の対比や、
あふれる開放感に魅了されたという。
また、最も苦労したという、ドーナツ状の朝日の中に神島が浮かぶ写真は、
早朝の津市の海岸に十数回通って、ようやく撮影できた1枚。
李さんは伊勢志摩を紹介するインターネットのホームページも開設し、
日本語と中国語で日本文化の魅力を発信しており、中国語のサイトは
これまで延べ6000万人以上が閲覧したという。
日本の文化や自然の情報を発信することについて、李さんは
「何百年も続けられてきた伝統や文化は、人と自然が共生した証しで、
世代や国境を超えて人と人を結ぶ絆になる」と力を込める。
写真集は、09年から今年2月まで撮影した計56枚を収録(A4変形判、2300円)し、
鳥羽シーサイドホテルなどで販売している。
また、能登半島や鹿児島、宮城などを歩き、撮影した田植えや田園風景などの
写真展「
日本稲作物語」を25日から、鳥羽市の
鳥羽ショッピングプラザハローで開く。
李相海さん
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読売新聞)
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