三重県志摩市磯部町的矢の的矢大祭り実行委員会は二十七日、
東日本大震災の被災地の人に元気になってもらおうと、
同地区で使用していた子ども用のみこし一式を、
地元の特産品「的矢かき」の種カキ仕入れで縁の深い
宮城県石巻市にある大宮神社へ送った。
的矢地区は今春、市立的矢中学校が閉校するなど、
少子化が進んでいる。
実行委では今月上旬に毎年十月二十二日の的矢神社例大祭に合わせて
子どもみこしや餅つき、的矢音頭などを開催していた「的矢大祭り」の
中止を決定した。
そこで十年前に地域の寄付で購入した子どもみこしと台車、法被、
放送機器などの活用を検討した結果、「被災地へ送っては」という意見が出た。
委員らは話し合い、的矢湾で養殖している「的矢かき」の種カキを
購入している縁で「宮城県で役立ててもらえないか」、ということになった。
これを受け、実行委代表世話人の橋本征郎さん(69)らが、
市社会福祉協議会などを通して、石巻市社会福祉協議会へ連絡。
十九日には石巻市大宮町にある大宮神社の大国龍笙宮司(67)と連絡が取れ、
同神社への寄贈が決まった。
運送手段については、宮城県方面へこの時期に種カキの仕入れに行くという
志摩市阿児町鵜方の運送業者「マルカ運輸」の上紺屋柾志社長の厚意で、
荷台にみこしを載せて神社へ届けてもらうこととなり、
この日、的矢区民センターに保管されていたみこしなど一式を、
実行委ら二十人が運び出した。
みこしは高さ一二五センチ、幅九〇センチ、重さ約六〇キロあり、
数人で持ち上げて荷台に積み込んだ。
橋本さんは「石巻の子どもらに喜んでもらえるように使ってほしい。
これを機にカキだけでなくお互いの交流ができれば」と、話していた。
大国宮司は電話取材に対し、
「志摩市からみこしを送ってもらったことを形あるものとして
子どもらに伝えたい」と、喜んでいた。
みこしは二十八日の午前中に神社に到着予定。
ソース(伊勢新聞)
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