今年秋の国内旅行最大のイベントとなるのが、三重県の伊勢神宮で行われる
式年遷宮である。
式年遷宮とは、神様の身の回りを常に新しく保つため、20年に一度、
神宮の神殿や御祝宝、装束一式を一新し、ご神体を神宮に遷(うつ)す祭典で、
いわば神様のお引っ越し。
中世の混乱期に中断したのを除き、1300年あまりにわたって続けられている。
そこへ向けて、遷宮行事が平成17(2005)年からスタートし、
今年10月、天照大神を新正殿にお遷しする「遷御」(せんぎょ)で
遷宮祭もクライマックスを迎える。
その式年遷宮の特需に沸くのが、三重県鳥羽市にある「鳥羽国際ホテル」
(天野矩幸・総支配人)。

「当ホテルは、昭和39(1964)年の開館以降、伊勢参りの拠点として、
日本の皇族方やエリザベス女王など、国内外の賓客を幾度となくお迎えし、
『伊勢志摩の迎賓館』として49年の歴史を積み重ねてまいりました」と
同ホテルの前田俊基・販売支配人。
3年前の2010年には、“真珠の海に抱かれるリゾート”をコンセプトに、
全館を大幅リニューアル。
今回の式年遷宮を10月に控え、“ここにしかない最高の特別感”をテーマに、
今年7月、最高級の「インペリアル・スイート」(1室、56平方メートル)を
大改装した。
早速、鳥羽湾を一望できる、もんど岬の高台に建つホテルを訪れ、
中を見せてもらった。
自慢の「インペリアル・スイート」は、最上階の角部屋に位置し、
鳥羽湾の美しい海や島並みなどの絶景が、約7メートルのワイドフロントの窓から、
パノラマビューで楽しめる。
「鳥羽湾に浮かぶ答志(とうし)島、坂手島、菅島などの離島が一望でき、
晴れた日には三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台となった神島も眺められます」と
同ホテル予約課マネジャーの隅田恵理奈さん。
鳥羽湾に突き出した岬の先端に建つホテルだけに、真珠養殖で知られる
ミキモト真珠島を始め、美しい海に浮かぶ島々が手に取るように眺められる。
「伊勢志摩の迎賓館」を目指したという「インペリアル・スイート」には、
大理石や黒檀、真珠細工などの洗練された高級素材が用いられている。
優雅で品格があるデザインが特徴だ。
「ベッドには、米の高級ブランド、サータ社が誇る寝心地をベースに、
インペリアル・スイートのために改良した『インペリアル・ベッド』を使用。
寝心地の柔らかさと寝姿勢のサポートという両方を実現して、“ここにしかない
最高の特別感”を感じていただけます」(隅田さん)
また室内は、真珠養殖発祥の地、「鳥羽」ならではのデザインとして、
真珠細工をはめ込んだ壁面や家具、真珠をモチーフにした照明デザインや白く
光沢あるクロスを採用。
地元のミキモトグループの「ミキモト コスメティックス」が同ホテルのために
開発したアメニティーも用意されている。
まさに「真珠の海」の最高級リゾートにふさわしいスイートルームだ。
(ノンフィクション作家、桐山秀樹)
ソース(ZakZak)
[0回]
PR