東紀州地域振興公社は二十一日、平成二十五年の熊野古道来訪者数推計値を発表した。同年三月の紀勢自動車道紀伊長島延伸や九月の熊野尾鷲道路開通に加え、世界遺産登録十周年前年で注目されたことなどから前年比12・66%(三万四千六百五十三人)増の三十万八千三百二十六人となり、過去最高だった二十二年を約二万四千人上回った。三十万人台を記録したのは十二年の統計開始後初めて。
推計値は、同公社が語り部の案内人数や古道関連イベントへの参加人数を勘案し、十六カ所について算出した。主な箇所の来訪者数は、浜街道・花の窟(いわや)十万六千五百八十六人(16・05%増)▽馬越峠四万二千八百二十五人(36・27%増)▽ツヅラト峠二万八千九百八十九人(3・96%減)▽松本峠二万四千九百六十八人(39・16%増)▽荷坂峠一万八千四百五十三人(13・44%増)―。
浜街道・花の窟は二十四年四月に花の窟神社横にオープンした集客施設「お綱茶屋」へのマイカー客やバス利用客などの定着が進み、二年連続で大幅増加。馬越峠は、三月の紀勢道大内山―紀伊長島間開通や五月の皇太子さま行啓で注目を集めたことが来訪者増につながったとしている。
来訪者数推計値は十五年に十万人を突破し、世界遺産に登録された十六年以降は十五万人前後で推移した。登録五周年の二十一年には二十万五百九十五人に急増し、二十二年には二十八万四千六百三十八人に上ったが、二十三年は紀伊半島大水害の影響で減少。その後二十四年は持ち直した。
公社の担当者は「水害からの復旧が進んだことも来訪者増の要因」とし、今年の世界遺産登録十周年については「古道以外にも食など地域の魅力を総合的に情報発信し、さらなる誘客につなげていきたい」と話している。
ソース(伊勢新聞)
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