松阪市日野町のカリヨンビル一階に四月、鉄道のジオラマを備え、食事もできる施設「松阪てつどうかん」が開店する。運営に当たるディスカバージャパンみえ(同市)の岡根雅弘社長(55)は「松阪は歴史のある良い街。交通の歴史などを紹介する情報発信の場にしていきたい」と意気込んでいる。
松阪駅と松坂城跡などの観光地を結ぶ経路にあるカリヨンビルににぎわいを創出するため、市商店街連合会と松阪街づくり公社などが昨年、空き店舗への出店者を公募。二団体が応募し、熱意や事業の実現性などから同社の提案を採用した。
ジオラマは四種類。昭和時代の松阪駅前や、JRや近鉄、高速道路が通る県内の交通網をイメージした。総延長は八百メートルにも及び、それぞれ電車やバスなどの模型が走る。懐かしの三重電気鉄道松阪線(松電)の車両模型を操縦体験できるジオラマでは、模型から見た映像を流しブレーキ音も鳴る。ジオラマは大阪市内の会社に制作を委託した。
熊野古道から高速道路の開通まで県内の交通の歴史をパネルで紹介するほか、子供たちが写真撮影できる鉄道会社の制服のレプリカも用意する。
松阪牛と松阪豚のギョーザなど地元の食材を使った食事や飲み物を販売する飲食場所も売りの一つ。ジオラマを眺めながら楽しめる。入場料は三百円だが店内で飲食すると無料になる。売上金のうち数%を市内の四十三の住民協議会に還元する仕組みを整える。
ビル一階で一月にあった発表会見には、岡根社長や山中光茂市長、宮村元之市商店街連合会長らが出席。宮村会長は「街の活性化を目指す上で街の中心にあるカリヨンは重要。これからが正念場だ」と話した。
公募は奥の一室が対象だったが、同社の希望で市民の活動拠点「松阪プラザ」として使っていた道路沿いの部屋も含め店舗として改装する。松阪プラザの利用者に代替場所をあっせんする。
ソース(中日新聞)
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