全国の一級河川を対象にした国の水質調査で
六年連続一位だった宮川が、二日公表された
二〇一二年の調査結果でトップを逃した。
首位との差はごくわずかで、国は
「水の美しさに変わりはない」と分析するが、
流域の関係者からは「日本一の清流」の
称号を失ったことへの困惑が広がっている。
調査は国土交通省が百六十三河川で実施し、
水の汚染程度を示す生物化学的酸素要求量
(BOD)の値で水質を見る。
値が小さいほど水質が良いとされ、
一二年は熊本県の川辺川や
北海道の尻別川など九河川が一リットル当たり
〇・五ミリグラムで全国一位。
宮川はこれをわずかに下回る〇・六ミリグラムだった。
過去に宮川は全国一位を十一回獲得し、
〇六年からは連続で〇・五ミリグラムを記録し、
川辺川などと並んでトップを守ってきた。
「日本一」のキャッチフレーズに加え、
エメラルドグリーンの美しい水が評判を呼び、
今夏も多くの観光客が川遊びに訪れている。
今回の結果を「大変残念」と受け止めるのは、
上流域の大台町観光協会。
発行する観光マップに「日本一の清流」の言葉を記し、
調査結果を観光PRに活用してきた。
担当者は「これからは言葉の表現を改める
必要がありそう」と困惑する。
水質保全に取り組む宮川流域ルネッサンス協議会
(事務局・伊勢市)は、国とは別にボランティアの
協力で毎月の水質調査を続ける。
水質悪化の様子はないというが、奥山茂事務局長(59)は
「日本一ということで視察や観光客が多かっただけに残念。
流域での植樹や啓発を地道に続けるしかない」と話す。
国交省河川環境課によると、BODが一ミリグラム以下で
あれば人為的な汚染はほとんどないとされ
「〇・五ミリグラムも〇・六ミリグラムも非常に
水質は良い」という。
ソース(中日新聞)
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