国の文化審議会が十四日答申した新たな登録有形文化財(建造物)に、県内からは寿量寺旧大黒殿(桑名市伝馬町)、佐野家住宅主屋(松阪市飯南町深野)、一乃湯本館(伊賀市上野西日南町)などの三カ所計八件が選ばれた。県内建造物の登録有形文化財は百五十二件となる。
日蓮宗の寿量寺は東海道・七里の渡から南方にあり、江戸時代から現在の場所で信仰を集めたとされる。答申は境内の旧大黒殿と鐘楼で、一九三五(昭和十)年ごろ創建。ともに当時の和風建築としては珍しい鉄筋コンクリート造りで、四五(昭和二十)年に一帯であった空襲でも焼失を免れた。
佐野家住宅は江戸後期から薬種問屋、薬局を営んだ商家の建物で、主屋のほか、屋敷構えを象徴する小蔵や土塀、石垣が選ばれた。
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