紀北町海山区便ノ山の日本庭園「種まき権兵衛の里」で二十一日、同町生まれで、江戸時代に大蛇を退治したと言い伝えられる農民・上村権兵衛を弔う供養祭「権兵衛祭り」があり、庭園内の落葉低樹トサミズキが見ごろを迎える中「権兵衛踊り」など郷土芸能が披露され、地域住民が春の訪れを告げる祭りを楽しんだ。
伝承によると、権兵衛は鉄砲の名手として有名で、町民の頭を悩ませていた大蛇を退治したという。蛇を退治する際に自身も毒を受けて絶命し、その後町民の英雄として語り継がれた。
祭りは、近くにある宝泉寺で権兵衛を供養する祈祷(きとう)が行われた後、権兵衛の里で住民が農作業の格好をし、権兵衛の種まきの様子を踊りと歌で表現する権兵衛踊り、神楽舞などが披露された。抹茶の振る舞いや餅まきなどもあり、訪れた地域住民が祭りを堪能していた。
また、権兵衛の里庭園内に四十五本生えているトサミズキも祭りの開催に合わせるかのようにこのほど見ごろを迎えており、美しい黄色の花を咲かせている。見ごろは二十七日ごろまでで、庭園管理者の植松登志典さん(47)は「鮮やかな黄色で彩られているので、ぜひ見に来てほしい」と話している。
ソース(伊勢新聞)
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