伊勢市宇治館町の伊勢神宮内宮で十六日夜から
十七日夜にかけて、年に一度の大祭
「神嘗(かんなめ)祭」が営まれた。
二十年に一度の神宮式年遷宮の「遷御の儀」を
今月二日に終え、新たな宮での神嘗祭は初めて。
神前に新穀や山海の幸を供える二回の大御饌(おおみけ)、
天皇陛下のお使いの勅使を迎えて布を納める奉幣(ほうへい)、
雅楽の歌や舞をささげる御神楽(みかぐら)と
一連の祭儀を通じて、皇室の発展や五穀豊穣(ほうじょう)、
国民の平安などを祈願した。
最初の儀式の由貴夕(ゆきのゆうべの)大御饌は、
十六日午後十時ごろに始まり、池田厚子祭主や
鷹司尚武大宮司以下神職約三十人が奉仕した。
神楽殿近くの忌火屋殿前に、市内の神田で育てた米で作った
蒸し飯や酒に、アワビ、伊勢エビといった品々を納めた
辛櫃(からひつ)を並べておはらいし、
天照大神を祭る正宮や神域内の各別宮に運んで供えた。
続いて十七日午前二時ごろから、
由貴朝(ゆきのあしたの)大御饌が同様にあった。
同正午の奉幣の前には、陛下が寄せられた稲束
「懸税(かけちから)」が、全国からの初穂と共に正宮の
垣根に掛けられた。
外宮での神嘗祭は、内宮よりまる一日早く進められた。
同祭は、六月と十二月の月次(つきなみ)祭と合わせて、
一年の祭りで特に重要な「三節祭」に位置付けられている。
ソース(
伊勢新聞)
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