鳥羽市国崎町で17日、正月の神を手作りのわら舟で海へ送り出す伝統行事
「ノット正月」があり、参加した海女ら地元女性たちが海上安全や豊漁などの願いを込めた。
舟は「歳徳丸」と呼ばれ、全長約1・8メートル。
船名を書いた半紙を、船首近くに立てた竹の棒に掲げ、後方には船頭に見立てた
わら人形を据えるなどして仕上げる。
地元の前の浜では、女性たちがそれぞれ、魔よけの文言を書き込んだ「ツメの札」を
浜辺に立て、小豆飯やお神酒などを供えて祈願。
その後、少量ずつ持ち寄ったわら束などで舟1隻を作った。
舟は完成すると火が放たれ、波打ち際から静かに海へ送り出された。
女性らは、炎を上げる舟が波に揺れながら少しずつ崩れていく様子を神妙な様子で
見守っていた。
この行事は江戸時代には既に行われていたが昨年、消滅の恐れがあるとして、
国の「記録を残すべき無形民俗文化財」に指定された。
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