松阪市教育委員会は、市指定文化財「原田二郎旧宅」(同市殿町)の庭園で来週にも、
再度発掘調査を始める。
前回の調査では、国史跡・松坂城跡の堀が定説よりも城下町側にある可能性が
指摘されており、今回の調査で、その部分の堀の形状など実態を明らかにする。
調査は、庭園内の石敷きを残し、昨年8~9月の調査で掘った場所を拡幅、延長して実施する。
市文化財センターによると、松坂城の堀の護岸は、一部が石垣や素掘りと分かっているが、
全容はつかめていない。
今回の調査で、護岸の様子や堀の深さなどを調べたい考えだ。
前回調査で、隣地との境界線を探る目的で庭園を掘ったところ、
深く落ち込む場所を発見。
ほか2カ所でも同様に深く掘られた跡が見つかり、城の堀跡と推定されるが、
水が湧き出るなどして、底に達するまで掘れなかった。
堀は明治以降に徐々に埋め立てられたとされる。
発掘により城下町の暮らしで使われた生活用品やおもちゃなどが
見つかるとも期待される。
新たな堀跡は、江戸時代に徳川家光が全国の大名にまとめさせた
「正保(しょうほう)城絵図」や明治初期の地籍図に書かれた堀の位置とは異なり、
松坂城の堀の形が変わる可能性を秘めている。
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