日本ダービー馬は、やっぱり強かった。
遅めのスタートから道中後方2番手を追走したキズナ。
重馬場への適性が心配されたが、ロンシャンの絡みつくような芝に
しっかりフィットした。
直線を向き、残り300メートルで追い出すと外から伸びた。
ジワジワと地元勢をかわす。あと100メートル。
ついに先頭だ。直線半ばで前がふさがり、
外に立て直したルーラーオブザワールドが追い込む。
並んだか。そこがゴール。
写真判定。
ボードに「8」が浮かんだ。
キズナが勝った。
「ゴールの瞬間、勝ったと思った。
だが(ルーラーオブザワールド騎乗の)ライアン(ムーア)が
勝ったと言うので、負けたと思って戻ったら、
みんなが“ブラボー”って」。
武豊は笑顔で振り返った。
ルーラーオブザワールドだけでなく、
パリ大賞を快勝したフリントシャーもいたハイレベルな一戦。
場内発売は7・8倍の4番人気に甘んじた。
それが、この勝負強さだ。
ひと叩きされ、100%の体調で臨む本番では、
どんな決め手を繰り出すのか。期待が一気に膨らんだ。
武豊は楽しげに語った。
「キズナのスタイルを崩さぬよう、あの位置で。
初めての場所にしては上手に走った。
若干、重さを感じていたので気持ち早めに追い出した。
手応えもあったのでフリントシャーの動きを見る余裕もあったよ」。
さあ、夢の凱旋門賞へ。
「ロンシャンの適性に答えが出たね。
さらに楽しみになった。期待してください」。
日本が誇るダービー馬が、世界制覇に王手を懸けた。
◆キズナ
父ディープインパクト
母キャットクイル(母の父ストームキャット)
牡3歳
栗東・佐々木厩舎所属
馬主・前田晋二氏
生産者・北海道新冠町ノースヒルズ
戦績8戦6勝(うち海外1戦1勝)
総獲得賞金3億6218万1000円。
ソース(
スポニチ)
[0回]
PR