凱旋門賞の前哨戦デーを日本馬が席巻した。
ニエル賞(G2、芝2400メートル、
1着賞金7万4100ユーロ=約978万円)が
15日(日本時間同日夜)、ロンシャン競馬場で行われた。
武豊(44)とのコンビで挑んだキズナ(牡3=佐々木)は、
直線大外から伸び、英ダービー馬ルーラーオブザワールドの
猛追を封じきってV。
日本馬がニエル賞を勝ったのは初めて。
また、フォワ賞(G2、芝2400メートル、
1着賞金7万4100ユーロ=約978万円)に出走した
オルフェーヴル(牡5=池江)も楽勝して昨年に続く連覇。
夢の凱旋門賞(10月6日、ロンシャン)制覇へ、
日本が誇る2頭への期待が大きく膨らんだ。
力が違う。「去年より、はるかに、はるかに、はるかに強い!」。
現地実況も驚くオルフェーヴルの圧巻パフォーマンスだ。
昨年に続きクリストフ・スミヨン(32)とのコンビ。
前にステラウインドを置き、道中冷静に運んだ。
直線を向いて残り300メートル。
イン2頭目に進路を確保した。
馬なりで先頭に立つ。わずかに手を動かすと、
あっという間に後続を置き去りだ。
最後は手綱を緩め、鞍上は後方外を確認する余裕。
口笛でも聞こえてきそうな勝ちっぷり。
そして連覇。単勝1・5倍の圧倒的1番人気に応えてみせた。
池江師は「位置取りは指示しなかった。
馬がリラックスして走っていたから、あの位置で良かったのでは」と
余裕の表情。
圧勝でしたねとの声には「ここは相手も相手だしね」と、
さらりと言ってのけた。
肺出血で宝塚記念を回避。
仏到着後は帯同馬に鼻筋を蹴られて鼻出血、1週前追い切りを延期した。
相変わらずトラブル続きだったが、3月の大阪杯(1着)以来の実戦でも
きっちり勝ち切るあたりが、さすがG1・5勝の日本のエースだ。
オルフェーヴルが昨年以上の凄みを見せ、キズナも勝ち切った。
いざ、凱旋門賞。
今年こそ日本のホースマンの夢がかなうだろう。
◆オルフェーヴル
父ステイゴールド
母オリエンタルアート(母の父メジロマックイーン)
牡5歳
栗東・池江厩舎所属
馬主・サンデーレーシング
生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム
戦績19戦11勝(うち海外3戦2勝)
総獲得賞金12億4951万円(うち海外1億882万円)
【オルフェのこれまで】
▼12年10月7日 凱旋門賞に初挑戦。
残り300メートルで先頭に立ったが、ゴール前で牝馬ソレミアに差されて2着。
▼11月25日 帰国初戦のジャパンC。
ジェンティルドンナとの激しい競り合いの末、2着。
▼12月6日 態勢が整わず有馬記念回避を発表。
▼13年3月31日 始動戦の大阪杯、単勝1・2倍に応え快勝。
▼6月13日 肺出血のため宝塚記念回避を発表。
▼8月15日 栗東に帰厩。
▼23日 坂路で国内最終追い。4F52秒8。
▼24日 日本を出て仏シャンティイに到着。
▼9月4日 フォワ賞1週前追い切りを中止。
僚馬ブラーニーストーンが尻っ跳ねをして後肢が鼻筋に当たり、外傷性鼻出血を発症。
▼7日 延期となったフォワ賞1週前追い。
藤岡佑を背に馬なりのままブラーニーストーンに3馬身先着。
▼12日 フォワ賞最終追い。ブラーニーストーン、
現地馬との3頭併せ、5馬身突き放す。
◆取り消し フォワ賞に出走を予定していたキャメロット(牡4=オブライエン)は出走を取り消した。重い馬場を嫌ったため。同馬は昨年の英・愛ダービーを制しており、有力馬の1頭とみられていた。
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スポニチ)
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