紀北町の清流・銚子川を天の川に見立てて、星の代わりに七夕の短冊を
入れた光るカプセルを流す祭り「きほく七夕物語」が六日夜、
同町海山区便ノ山の河川敷であった。
東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の保育園児からも短冊が寄せられ、
祭りの前に潮南中学校の生徒が、願い事の成就を祈ってカプセルに詰めた。
園児の短冊は、震災後、毎月同市で絵本の読み聞かせをしている
菰野町のNPO法人ほがらか絵本畑の三浦伸也理事長(51)が集めた。
紀北町の小学校などにも読み聞かせに訪れている縁で、祭りを主催する
実行委員会に短冊を託した。
短冊は六つの園から計二百六十枚が届いた。
「ヒーローになりたい」
「お母さんのおなかの赤ちゃんが元気に生まれますように」などの
願いを保護者らが代筆。
「星になったともだちがお空で楽しくくらしていますように」と
願う保育士による短冊もあった。
潮南中ボランティアサークルの一、二年生十九人が、願い事に目を通し、
園児の笑顔を思い浮かべながら、作業を進めた。直径十五センチの透明の
カプセルに短冊と発光ダイオード(LED)電球、電池を一緒に入れ、
慎重に封をした。
一年の浜田歩花(ほのか)さん(12)は
「願い事がかなったら、保育園の子たちはきっと喜んでくれると思う」と
作業に励んでいた。
日暮れとともに、生徒が用意した分を含む二〇一三個の光るカプセルが
川に流された。
訪れた住民らは、川面をほのかに照らしながら漂うカプセルを静かに見守っていた。
ソース(
中日新聞)
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