生徒数の減少などによる校区再編に伴い、今春に閉校となった
志摩市大王町船越の船越中学校を舞台にした映画『校歌の卒業式』が
ほぼ完成した。
同校卒業生で『ALWAYS三丁目の夕日』のヒット作で知られる
映画プロデューサーの山際新平さん(54)さんが制作に当たった。
最後の卒業生ら地元の延べ約四百人が出演するなど地区を挙げて協力。
初上映会が九月十五日午後二時から同市阿児町神明の阿児アリーナである。
船越中は、隣の波切中と統合して今年四月に大王中として
新たなスタートを切り、一九四七(昭和二十二)年創立以来の歴史に
幕を閉じた。
映画は、思い出づくりにと、山際さんや、山際さんと同校で同級生だった
昨年のPTA会長の橋爪吉生さん(55)らの発案で制作することになった。

写真=中日新聞
ストーリーは船越中の三年生を主役に設定。三年生たちが
過去の卒業生総出で校歌を歌う催しを企画し、
一部から煙たがられたり高校受験に不安を抱えたりしながらも、
町の大人に助けられ、催しをやり遂げ成長していく姿を
描いている。
今春の最後の卒業生十六人が出演。三月中旬にオーディションで
配役を決め、翌日から撮影を開始。
約一週間で閉校前の生徒たちが活動する学校や、地区内の各地を撮った。
地区の大人たちも、生徒を励ます役で出演したほか、
校歌を歌うシーンは地区内の慕情カ丘で地区の約四百人が集まって撮影した。
PTA役員や有志が撮影した、地元の天王祭や正月の様子の
映像も盛り込んだ。
時間は七十分。
既に観賞した橋爪さんは「活気がある学校の姿を久しぶりに見られ、
うれしかった。新たに校区が一緒になった波切と新しいつながりをつくり、
地域を次世代につないでいこうと明るく前向きな気持ちになれる
映画になった」と喜んでいる。
上映会では、映画に音楽の先生役で出演した、ピアニストで
歌手のさだまさしさんの娘の佐田詠夢(えむ)さんのミニコンサートもある。
プロデューサーを務める山際さんは「学校がなくなり、
地域の火が消えたようになったところは多いが、閉校をきっかけに
地域を見直し盛り上げる動きがある全国の他の地域でも上映したい」と
話している。
入場券は、市商工会=電0599(44)0700=と、
船越のヤマザキYショップ大王町あずま店=電0599(72)2503=で、
一枚二千円で販売している。
ソース(中日新聞)
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