目まぐるしく首位が入れ代わる激戦に、観客も沸き立った。
十七日開かれた「第六回美(うま)し国三重市町対抗駅伝」
(中日新聞社などでつくる実行委員会主催)は、
終盤に追い上げた津市が三年ぶり二回目の総合優勝を飾った。
「おらがまち」のため、懸命にたすきをつないだ選手たち。
沿道や、ゴールとなった県営総合競技場には多くの人が駆けつけ、
小学生から社会人までの熱い走りに声援を送った。
◆津、粘って逆転 市の部
まさしく勝利の雄たけび。津市のアンカー田中貴章選手(22)=NTN=は「うぉー」と
声を出しながら、ゴールテープを右手でかき上げた。
「アンカーもトップも初めて。優勝の瞬間は狙っていた」という派手なポーズで、
三年ぶりの総合優勝をつかみ取った。
田中選手に駆け寄り、肩をたたく松本恵美子監督(61)=美杉陸上クラブ。
「うれしいの一言。でも、やっぱり楽には勝たせてくれない」と、粘りのレースを振り返る。
レース中盤まで、先行する桑名、鈴鹿を追う展開を強いられた。
2分前後あった差は、八区の木富淑絵選手(28)=美里中=が
「過去二大会ともチームのブレーキ。三度目の正直のつもりで走った」と42秒に短縮。
三位でたすきを渡すと、九区の鈴木美歩選手(18)=東洋大一年=が
区間賞の快走で逆転劇を演じた。
チームは今回、初めて三十人近い大所帯で編成。
オープン参加チームの参考タイムも上位に位置し、五区を走った選手最年長の
浜地守選手(47)=NTN三雲=は「互いに意識し、頑張ろうという結果が出た」と話す。
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